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塚本岩三郎『天地現象掛圖』第貳輯 明治36年(初版)

塚本岩三郎(1863-1934)『天地現象掛圖』第貳輯 明治三十六年二月七日(初版) 東亰造畫館刊
塚本岩三郎『天地現象掛圖』第貳輯(明治36年)
明治期に数多く制作された教育用掛図シリーズの中でも比較的珍しい、天文分野を扱ったセット。
非常に高品位の石版画による美しい彩色画により、身近な天体とその現象、そして天体観測用の巨大な望遠鏡が図解されていて実に魅力的。縁の方が一部欠損しているものの、かなり破れてはいたが表紙附きで全葉揃っており、教育現場での実用品としてかなり傷んでいるものが多いこの種の図版資料としては状態がよい方と云えるのでは。なお破損個所は和紙で裏打ちして、傷みが進まないように補修してあるため、裏面は已むなく継ぎ接ぎ状態ではある。
なお自ら作画し刊行まで手がけた塚本岩三郎については、横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」収録の『亰濱實業名鑒』*
www.lib.city.yokohama.lg.jp/Archive/DTRP0320?SHIRYO_ID=2467
や国会図書館デジタルコレクション収録の『東京書籍商組合史及組合員概歴』の「東京造畫館」記事
dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/949275/67
によれば、三河の出身で明治九年に上京し同人社・慶應義塾で英語を習得、次いで工部大學校附屬美術學校でフォンタネージ等に就いて石版彫刻を学んだ後渡米して更に技術研鑽に努めるとともに洋画も体得、帰朝して二十五年石版印刷会社を興し忽ち評判を取り、また掛図等の教育用図版を次々に制作して全国に普及させるのみならず海外へも販路を拡げたという、当時の印刷出版業界では知らぬ者のない事業家だったらしい。

*追記:横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」収録の『亰濱實業名鑒』は、まるまる1冊分のPDFファイルにて掲載されているが、ファイルサイズが260MB超という巨大データのため、閲覧者の便宜を図るべく「塚本岩三郎」記事を含む見開きページのみここに掲げておくことにする。
「塚本岩三郎@明治40年亰濱實業新報社『亰濱實業名鑒』(亰濱實業新報社).png

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